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CAREER STORIES 3

ジャガー・ランドローバーなにわ
(八光エルアール株式会社)
サービスアドバイザー 主任

涌田 知香

2019年 EVERYDAY LEGEND
日本大会優勝 サービスアドバイザー オブザイヤー
Service Advisor of The Year 2019 国際大会日本代表

<PROFILE>

車が好きで21歳の時に輸入車リテイラーへ入社、直接お客様と向き合える仕事がしたくて23歳でジャガー・ランドローバーなにわに転職。負けず嫌いと、自分を高める努力を欠かさず車に関する高い知識を習得。わずか3年で日本一のサービスアドバイザーとなり、Everyday Legend 2019(UK で行われる国際大会)へ出場する。

21歳で車業界に就職(~入社2年目)
車が好きで車業界に入ったが、最初についた仕事は、あまり自分を成長させられる仕事ではないと感じた。
自らに高い目標を設定(23歳~)
女性でも一線に立てるサービスアドバイザーを目指して転職。アシスタント業務から顧客対応に必要な知識を高めるためにテクニシャンの助け をかりて勉強。徐々に一線に立ちはじめる。
入社から3年で主任に、目的としていたサービスアドバイザーに。 (26歳-現在)
2019年 EVERYDAY LEGEND 日本大会優勝
サービスアドバイザー オブザイヤー
Global Service Advisor of The Year 2019 国際大会日本代表に選考される。

女性でも一線に立てる仕事を選んだ決意。

2019年 サービスアドバイザー オブザイヤーで優勝 日本代表としてUKでの世界大会に出場した涌田さん。ジャガー・ランドローバーなにわに入社したのは 2016年、23歳のときだった。アシスタント業務からスタートし、わずか 3 年で日本一のサービスアドバイザーに輝いた。もともと車が好きで、車に関わる仕事がしたくて、21歳の時に輸入車リテイラーに入社。初めての仕事はアポイントメントプランナーだったという。
「前職では、お客様とはお電話だけの対応で、フロントの男性が手いっぱいになったタイミングで来客の対応をするという仕事でした。ここでの仕事は、女性でもサービスアドバイザーとして前に、一線にでられます。これこそ、私のやりたい仕事だと思いました。 直接お客様と顔を合わせる仕事がしたいと思った涌田さんは、サービスアドバイザーという職種を希望した。輸入車販売業界では、サービスアドバイザーは圧倒的に男性が多い。その理由は、お客様がどのような車の不具合を訴えているのか、その症状を把握するための車の知識や取り扱いマニュアルなどを熟知している必要があるからだ。涌田さんは、自らにあえて高いハードルを設定し、自分を成長させるという覚悟をもって転職を決めた。

仕事を自分のものにするという努力とそれを支えてくれた仲間達

入社した頃は、誰もがそうであるように、知識もなく満足な受け答えができるわけでもなかったので、いつも不安でいたそうだ。「お客様がどういうことをおっしゃっているのか、そのお客様に対してサービスアドバイザーが答えた内容が理解出来なかったんですね。その都度サービスアドバイザーやテクニシャンに、積極的に自分から確認して、自分なりに知識を身につけました」不安を取り払う唯一の方法は、サービスアドバイザーの男性と同等の知識をもち自信を付けるしかない。とにかく分からないことはなんでも積極的に聴いた。テクニシャンは、一緒に車を見て、クイズ形式で教えてくれたりした。おそらく、そういう方法の方が覚えやすいと、テクニシャンは思ったようだ。自分のモノになるように、ノートに書いて復習をした。 「サービスアドバイザーに必要とされる知識は、まず自分が理解しないとお客様にもきちっとご説明ができないと思います。特に女性の方でしたらお車に詳しくない方もいらっしゃいますので。そういう方にも分かってもらいやすいようなご説明ができるように勉強しました。一番良かったのは、お客様の車に現場で一番触っているテクニシャンに教えてもらったことです。」

目に見えなかった大きな壁でも克服できる

涌田さんがこの仕事をする上で一番難しいと感じたこと、それは技術や知識ではなかった。 [ 車の世界=男の世界 ] という慣習や思い込みである。「今日は故障の事で来たので、男性はいらっしゃいますか。」となる。故障については、男性が担当するものというお客様の思い込み。お客様の中にあるこの考え方が、何よりも大きな壁だったという。 「女性がクルマ業界の第一線に立つとなった場合、お客様から男性に代わって欲しいと言われたりすることがあります。そこは、私からすれば、少しさみしい感じがします。女性でもクルマの事を理解している人もいますし女性の整備士も凄く増えてきています。」持ち前の負けず嫌いと、あのひとなら大丈夫だと思わせる知識を手に入れ、堂々と対応できるようになった。
「今でも、初めてのお客様で、男性のスタッフはいますかと聞かれることがあります。そんな時は、サービスアドバイザーで対応させて頂いています。と言えば、だいたいのお客様は普通に話していただけるので大丈夫です。」今では、涌田さんいる?と直接指名するお客様や、困ったことを相談されにくるお客様が増えたそうだ。それは、自分のやってきた接客や対応が間違ってなかったという自信とモチベーションアップにつながっている。

仕事へのこだわりとスタイル

お客様が涌田さんを信頼するには、もうひとつ理由がある。それは、いらっしゃるお客様の事を事前に良く調べていることである。入庫記録はもちろん、他の担当者に聞いたりもする。
「お客様と会う前には必ずこの方はどういう方か調べたり聞いたりします。以前はどういう事でいらしたのか、どういうことを言ってらっしゃるのかというのを確認します。前もこの方こういうこと仰ってたなぁ、というのがわかれば最初の対応が変わってくると思います。もしブレーキ鳴きとかで何回も来られていたとすれば、どうされましたか?と聞いたら怒られてしまうと思うんですけど、何回もすみません、また鳴っていますか?という対応なら、前の事もちゃんと知っていて今回も理解してくれているんだなと、お客様の感じ取り方も違ってきます。」


涌田さんは、今でももっと知識が欲しいと言う。もし、テクニシャンの資格が取れるぐら いの知識があったら、もっと仕事が楽しくなるんじゃないかと思っているそうだ。「クルマに入っているコンピュータシステムとか操作方法などは、使い方を電話で聞かれたりしてもスムーズに答えられなかったり、現車を見ながらお話しする形に成ってしまいます。そういう事も一回でお答えができるように、できる項目が増やせたらいいなと思います。」 涌田さんは、今自分が働いている環境にとても感謝しているという。以前は、あまりの忙しさから、辞めたいと思ったこともあったそうだ。それでも、働き続け、日本一になれたのには、人が育つ環境があるからだ。 「私の上司の育て方が上手かったんだと思います。私のいいところを 10 ぐらい、悪いところを 2,3 言ってくれて、そこを改善するには僕だったらこうするけど、あなたはどう思う? と私に考えさせてくれました。解答ではなく、お題をくれて、それに対して自分だったらこうしていったらいいかなと言う風に考えることができたことで、モチベーションがつづいているのだと思います。そういう上司に出会えたことは、ここに入って良かったと思います。基本的にきちんと部下をみてくれているので。そこの部分は大きいですね。」

サービスアドバイザー オブザイヤーに輝いた今、次に涌田さんが目標にする自分の姿はどんなものなのだろうか。「優勝してしまうと、優勝した人として見られるので、選んで頂いた方や審査して頂いた方に恥じないようにきちんと接客しないといけないと思います。これ以下にはならないようにしないといけないなというボーダーラインみたいな基準が自分の中にできました。」