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CAREER STORIES 1

ジャガー・ランドローバー三島
営業責任者

宮澤 久哉

株式会社エー・エル・シー 常務執行役員 1998年中途入社

<PROFILE>

24歳のときに食品加工メーカーから株式会社エー・エル・シーに転職。セールスエグゼクティブとして入社し、チーフ、マネージャー、部長などを経て現職。トップセールスとして、8回の英国旅行の経験がきっかけとなり、英国にこだわったスタイルを実践。宮澤さんのランドローバーへの造詣の深さとライフスタイルに憧れ、ユーチューブを見たファンが各地からやってくるという。

ディスカバリーとの出逢い(入社2年目)
ディスカバリーの試乗会でその走りに感激し自らオーナーに!
トップセールスになる(4~11年目)
トップセールスとなり、8回連続で英国旅行に招待される!
ジャガー・ランドローバー三島を全国1位に(12年目~現在)
自らの経験を活かし、ジャガー・ランドローバー三島を新車・認定中古車の総販売台数で全国1位に。その功績が認められ常務執行役員に。

ディスカバリーとの出逢いが人生の転機に

セールスエグゼクティブとして入社から17年。チーフ、マネージャー、部長と着実にキャリアを築き、好きな車の仕事で夢を叶えてきた宮澤さん。ジャガー・ランドローバー三島を運営する株式会社エー・エル・シーに転職したのは、社会人2年目のときだった。

「両親が2人とも会社員だったので、大学を卒業後は、安定した企業に勤めることが当たり前だと思っていました。大学生の頃から車が好きで、趣味としてサーキットにレース仲間と走りに行っていましたが、就職活動中は、車関係の仕事に就くという発想はまったくありませんでした。一部上場の食品加工メーカーに新卒として入社し、1年半、営業部でがむしゃらに働きました。業績は良かったのですが、どうしても好きな車関係の仕事が諦められず、転職を決意しました」

きっかけは、株式会社エー・エル・シーにメカニックとして勤めていた同級生から営業職を募集していると聞いたことだった。

「安定志向の強い私の両親は、転職に猛反対でした。その理由は、車販売の経験がないことと、業績によって報酬が不安定なこと。好きな仕事だったためか、両親に反対されたにも関わらず、なぜか私には根拠のない自信がありました。今では、会社での私の活躍をみて両親も応援してくれています」

ランドローバーの担当になったのは、転職して2年目のころ。オフロードの試乗会で初めてディスカバリーに乗ったときの衝撃は、今でも忘れられないという。

「足回りも、エンジンもまったく手を加えていないのに、荒々しいオフロードを軽々と乗り越えていくことにびっくりしました。標準仕様のままで、こんなに走れるのか!という驚きです。当時は、私も若かったので、スポーツカー以外は車じゃないと思っていましたが(笑)、実際に試乗してみると、自分の予想をはるかに超える精巧なハンドリングに英国車の技術の高さを感じました」

このディスカバリーとの出逢いが、宮澤さんの大きな転機となる。プライベートで所有していた車を手放し、わずか25歳でランドローバーのオーナーになった。これをきっかけに、1人のオーナーとしてランドローバーの魅力にどんどん惹きつけられていく。

情熱がお客様の心を動かす

「私の強みは、とことん車が好きだということ。ジャガーも、ランドローバーも、20代の営業マンが簡単に持てる車ではありませんが、父にローンの保証人になってもらい、最初の1台を購入しました。ハンコを押すとき、手が震えたことは今でも忘れません。知識や実績では、もちろん先輩にかないませんが、入社当時から熱意だけは誰にも負けないという気持ちがありました。また、自分のお金でランドローバーを購入しているからこそ、お客様と同じ視点でその車のメリット、デメリットが分かります。拙いながらも、自分自身が感じていることを率直にお話しした熱意がお客様に伝わったんだと思います」

経験者でないと“難しい”と言われる輸入車販売の世界。しかし、宮澤さんは入社からわずか2年で日本全国のセールスエグゼクティブの頂点の座についた。オーナーになって実感したことはアフターフォローの大切さ。今ではどこでも当たり前になっているが、保険や点検、整備などのアフターフォローをパッケージにしてお客様にご提案したことが、宮澤さんをトップセールスへと押し上げた。

クラフトマンシップの真髄にふれた英国旅行

その後、チーフ、マネージャー、部長などを歴任し、40歳という若さで常務執行役員に就任。現在、組織をマネジメントする立場となった宮澤さんだが、着々とキャリアアップを図ることができたその秘訣はどこにあるのだろうか。

「20代のころは、自分の数字を達成することだけを考えてきましたが、管理者になってからは店舗やエリア全体でいかに販売台数を伸ばすかを考えるようになりました。担当のころは、周りはライバルという意識もありましたが、現在は自分のセールスノウハウを包み隠さずオープンにしています」

セールスノウハウを他のメンバーと共有したことで、宮澤さんが責任者となった店舗やエリアの業績は右肩上がり。その結果、ジャガー・ランドローバー三島は新車・認定中古車の総販売台数で全国No1の売り上げを誇るディーラーへと成長した。

「ジャガーやランドローバーを販売するということは、単に車を売ればいいというものではありません。お客様に共感していただくことや楽しんでいただくことが、とても大切です。私は正規ディーラーのトップセールマンとなり、そのご褒美として英国旅行に8回招待されていますが、この旅行をきっかけに、英国の魅力に惹きつけられ、スーツ、ネクタイ、カフスなどのファッションは英国ブランドにこだわって身につけています。基本的に、当店にいらっしゃるお客様は英国や英国車に関心のある方々です。自分の足で英国を見てきたことが、より深いブランドへの理解につながり、お客様ともより親密にお話しができるようになりました」

ジャガー・ランドローバー三島では、宮澤さんに続きトップセールマンを次々と輩出しており、今年は2名が英国旅行に招待されているという。

「この招待旅行は、ランドローバーのテストコース、ジャガーの本社工場の見学をはじめ、気品ある英国の文化やサービスにふれることのできる絶好のチャンスです。優秀な成績をあげて他の社員たちにも、ぜひ名誉あるこの経験をして欲しいと考えています」

成長途中のブランドだから、面白い

車を販売するうえで、宮澤さんが常にこだわってきたことがある。それは、“価格訴求に頼った販売はしない”ということだ。

「国産車や他の輸入車を購入したこともありますが、英国車の良さは、丁寧に作りあげていること。ドイツ車や日本車のように効率良く大量生産することは決して得意ではありませんが、ディティールの1つひとつにこだわりがあり、魂が込められています。ある意味、価格訴求をすれば誰でも簡単にトップセールスになれるかもしれませんが、ランドローバーやジャガーの魅力を知り尽くしているからこそ、価格訴求をせずに販売することにこだわってきました」

宮澤さんは、2014年に自身が運営するユーチューブページを開設した。このユーチューブには、現在のランドローバー市場を変えたいという思いが込められていた。

「ブランド価値の高い車は、発売から長い年月を経ても値崩れしません。様々な車種のなかには新車よりも中古車の方が高い車もあります。以前、ランドローバーやジャガーは故障が多いと言われたこともありますが、経営母体が変わり、品質、性能、装備のどれをとっても自信を持ってお薦めすることができます。これは、私自身がジャガーとランドローバーを合計25台以上も乗り継いできたからこそ言えることです。しかし、日本の市場を見ていくと弱気なセールスをしている担当者が多い。この状況は、とても残念です。そんな『弱気を何とか変えていきたい』という一心から、ランドローバーの魅力を動画にしてアップしています。英国車が本来持っている魅力をきちんと発信していけば、もっとブランドの価値は高まるはずです」

「ドイツ車や日本車と異なり、ジャガーやランドローバーの販売台数はまだまだ少なく成長途中のブランドですが、小型モデルが発売され、今後はもっともっと躍進が期待できる非常に面白い市場です。この市場を拡大させるためには当社だけでなく、ディーラー全体のスキルを底上げしていく必要があります。先日、ジャガー・ランドローバー・ジャパンが主催する講習で講師を務めさせていただきました。このような活動を通して、業界全体のスキルアップの向上に貢献していくことが私の新たな夢です」